2014年8月8日金曜日

無人ヘリ農薬散布について思うこと

数週間前のこと。

町役場が流す無線放送と学校経由で配布される通知により、無人ヘリコプターによる農薬散布の実施が、7月下旬から8月上旬にかけて、町全域で行われることを知りました。

JAが取り纏めて、希望生産者の水稲へ農薬を散布するもので、目的は、水稲への病害虫による被害防止及び生産者の労力低減。散布時期になると、希望者の水田には赤旗が立てられるそうです。

愕然としました。

池田町は北アルプスと田園風景が美しい町です。歩けば、すぐに田んぼが広がります。これまで住んだ地域で、こんな身近な所で大々的に農薬散布が実施される経験は初めてです。実施時間は朝5時〜10時30分頃、3日間に分けての実施。子供達の夏休みとは言え、人々の活動時間帯です。

自分の力ではどうすることも出来ない現実に揺さぶられ、ショックで落ち込みそうになりました。

農薬散布が、病害虫と呼ばれている虫ばかりでなく、他の生き物も殺し、自然の生態系を狂わせ、そして安全性が確認されているという農薬の、見えない形での人体に与える影響を思うと、今を守るために犠牲にしている未来の大きさに打ち拉がれそうになります。まさに原発と同じ問題です。

自分1人では何も変えることはできないけど、それでも何もしないわけにはいられず、いつか願いが届くことを祈って、JA担当者と町役場担当者の方に電話で話をし、子供の学校の先生と校長先生には連絡ノートを通して自分が感じたことや思いを伝えました。

農薬散布は、この土地では10年以上前から実施されているようで、他のお母さんと話をしても、仕方がないものとして半ば諦めながら受け入れているようです。

農薬散布が実施されるようになった経緯とそうせざるを得ない現状、農業を取り巻く様々な問題点など、社会の縮図として現れているもので、何が悪い、誰が悪いと語れるものではありませんが、この町に暮らす一人一人が、いのちを繫ぐという観点から、自分の生き方、暮らし方、町のあり方について考えることで、変えていける問題だと思います。

私は、これからの自分の人生と未来を諦めたくないと思って、この町に引っ越してきましたが、どの場所にも闇があり光があることを感じました。

すぐにはどうすることもできないことを嘆いたり、批判や否定からは何も生まれないこと、不安や不平不満ではなく、希望や夢に向かって生きる事の大切さを、雑穀料理つぶつぶのセミナーを通して教えて頂いたので、諦めず、「光」の方向を向いて進みたいと思います。

天地に向かって、ごめんなさい、ありがとう、と祈りを込めて。


(今回の農薬散布の写真ではありませんが、近くのぶどう園に常時掲示されている「農薬散布中 通行注意 園内立入禁止」の看板です。)美しい自然の景色の中で見るたびに違和感を感じます。モノが作られる過程や現状を知ることが大切ですね。






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